ネコ科の動物猫(ねこ)について

猫の起源

猫は、こうして猫になった

 

猫(ネコ)の起源は、今でもアフガニスタン、アラビア半島、北アフリカなどに分布する野生の猫、リビアヤマネコだと言われています。野生で単独生活を行っていた猫が人と暮らすようになったのは、今から約5000年ほど前の北アフリカ東北部の古代エジプト。ナイル川流域の肥沃な農地で穫れた小麦や大麦を蓄えていた穀物倉庫を荒らすネズミを獲物とするために、猫が倉庫の中にすみついたのがきっかけだと考えられています。肉食の猫は、ネズミを捕まえても穀物を食べることはないので、大切な穀物を守ってくれる猫の定住は人々に歓迎されました。そして、徐々にお互いの距離を縮めて、人と一緒に生活をするイエネコになったのです。

 

古代エジプトで愛された猫たち

 

古代エジプトの人々は猫を大変かわいがりました。王侯貴族の間では大切なペットとして育てられ、猫が死んだ後はミイラにして手厚く葬っていたほどです。また、生殖を司る「バスト神」のシンボルとしても崇められていました。法律で猫の国外への持ち出しを禁止するほど貴重な存在とされていましたが、地中海交易を行っていたフェニキア商人たちによって、地中海東部やアジア地方などの農業がさかんな地域に密輸されました。やがて、ローマ帝国が古代エジプトを支配下に治めると、小麦を主食とするローマの人々は猫を重宝がりました。ローマ軍のヨーロッパ遠征の際にも、兵士達の食糧をネズミから守るために猫を連れて行ったことから、各地で猫が飼われるようになっていったのです。また、15世紀頃の大航海時代には、食糧や積み荷をネズミから守る猫を乗船させており、遠洋航海には必要不可欠な存在でした。こうして、世界中に猫が広がっていきます。

 

中世ヨーロッパでは、猫受難の時代

 

古代ではこれほどまでに崇められた猫ですが、15〜18世紀の中世ヨーロッパでは受難の時代を迎えます。それは、キリスト教が権威を守るために行った「魔女狩り」で、猫は魔女の手先だとされ、生きたまま火の中に投げ込まれるなど、猫の大量虐殺が行われたのです。しかし、天敵である猫が減ったことでネズミが大発生。ネズミによって運ばれたペスト菌によって「ペスト(黒死病)」が大流行して、何千万人もの人々が命を落とすという皮肉な結果をもたらしました。

 

 

シルクロード伝いに中国、そして日本へ

 

フェニキア商人に密輸されてアジアに渡った猫たちの祖先は、中央アジアからシルクロード伝いに古代中国へ渡ったとされています。中国では、猫は穀物だけでなく、生糸の原料となる蚕のマユや、お寺の経蔵で経典をネズミの害から守るという重要な役割を与えられました。日本へは古代中国や古代朝鮮から、仏教の伝来とともに経典を守るために猫が船に乗せられてやってきたという説が有力。また、平安時代には貴族達の間で猫がかわいがられ、9世紀末に書かれた宇多天皇の日記には、唐(中国)から伝来した黒猫を先帝から譲られたと記されています。世界各地で猫が飼われるようになっても、人が猫に求める最大の役割は、狩猟本能を利用した「ネズミ退治」だったので、犬のようにさまざまな目的のために改良されることもありませんでした。だから、猫は今も野生的な性質を存分に残して、人々を魅了しながら一緒に暮らしているのです。

猫の習性

猫は1頭1頭、単独で生活する動物

 

群れで生活する犬は、絶対的な権威をもつリーダーに服従する動物で、飼い主への忠誠心は、この習性からきています。一方、単独行動の猫は、リーダーを必要としていないので、飼い主に対する忠誠心もありません。猫は、今何をするべきか、どう行動するべきかの判断をすべて自分で行います。猫がプライドが高く、マイペースで気分屋といわれるのは、こういう習性からです。また、猫は独立心が強いので、無理強いされることを嫌います。猫と上手につきあっていくためには、猫の様子をよく観察して、気持ちを尊重することが大切です。

 

なわばりを大切にする

 

ライオン以外の猫科動物は、普段、単独でなわばりを作り、その維持管理のために点検を行いながら暮らしています。「なわばり」とは生きていくために必要な食べものや水を確保し、発情期に異性と出会い、子育てをするのに不可欠な空間です。野良猫や自由飼いの猫では、他の猫ともなわばりを共有しているので、毎日、見回って自分のなわばりを点検する必要があります。完全室内飼育の猫では、家の中だけがなわばりになります。猫のなわばりは広さではなく、質が重要視されます。室内でも上記のなわばりの条件を十分に満たしているので、室内だけでも猫は満足して生活していくことができるのです。また、ほかの猫になわばりを宣言するために、自分のニオイをつける「マーキング行動」をおこないます。「爪とぎ」も、重要なマーキング行動の一つ。単に爪あとをつけるだけでなく、前足の裏のパッドからフェロモンが分泌されていて、ニオイつけになります。ほかに、あちこちにオシッコをひっかけたり、ウンチを目立つところにしたりすることもあります。

 

1日の大半を寝て過ごす

 

猫はとてもよく寝る動物で、「猫」という呼び名も「寝子(ねこ)」からきているという説もあります。成猫で1日15〜16時間、子猫や高齢猫では20時間寝ています。肉食動物である猫は、草食動物と違って、獲物を捕まえれば高カロリーを摂取できますが、次にまたいつ獲物が捕まえられるかわかりません。そこで、野生の頃は、一度食べたらなるべく動かないでエネルギーを温存するという生活スタイルをとっていたのです。猫は夜行性ですが、活発に動くのは主に明け方と夕方です。野生では、この時間帯がハンティングの成功率が高いからです。

猫の年齢

猫の年齢

 

 

1歳すぎたら、立派なおとな

 

猫は人間に比べると、格段に早く成長します。健康状態によって差があるので一概には言えませんが、生後1年〜1年半を過ぎたら、もう立派なおとな=成猫です。いつまでも無邪気で子どものような存在でも、猫は飼い主の年齢をあっという間に追い越していきます。人間の年齢に換算すると、生後1年で約15歳、2年で約24歳、その後は猫の1年は人間の約4年分に換算されます。そして、個体差がありますが、猫の7歳、人間でいうとちょうど厄年の頃から、徐々に老化が始まります。猫の寿命は15年と言われていますが、最近では20年以上生きる長寿猫も少なくありません。

 

猫の年齢 人間 成長過程

 

 

出生

 

 

0歳体重約100〜120gほとんど眠っている。目が開かず耳も聞こえない。排泄も自力で出来ない。

 

 

1週間

 

 

1ヶ月体重約200〜250g目が開く(目の色はみんな青灰色)。耳が聞こえる。母猫から離れない。

 

 

2週間

 

 

3ヶ月体重約250〜300g目が見えるようになる。耳が立ち、足を八の字開きでよたよたと歩き出す。

 

 

3週間

 

 

6ヶ月体重約300〜400g歯が生え始める。自分で排便が出来る。離乳食を開始する。爪を引っ込められるようになる。兄弟で遊び始める。1ヶ月 1歳 体重約400〜500g喉を鳴らしたり感情を表すようになる。そろそろ乳離れ。トイレのしつけも開始。第1回目の駆虫を行う。病気に注意する。2ヶ月 3歳 体重約950〜1000g目の色がそれぞれの色に変わる。乳歯が生えそろう。母猫が授乳を嫌がる遊びからの社会性や母猫から狩りなどを教わる時期。トイレのしつけができているとよい。ちょっと早いが里親にあげてもよい頃。仔猫用をフードを与える。最初のワクチン接種を受ける。病気に注意する。3ヶ月 5歳 体重約1〜1.5kg走り回り、じゃれて遊ぶ。しつけを完了しシャンプーや皮膚の手入れを開始里親にあげるならこの時期。ワクチンの追加接種。6ヶ月 9歳 体重約2.5〜3kg

乳歯が抜けて永久歯が生えそろう。被毛が生え変わる。よく遊ぶ。一人前の顔。この頃から去勢・避妊を受けさせることができる。9ヶ月 13歳 体重約3〜3.5kgメスの初めての発情が早まる。(早い猫なら7〜8ヶ月で発情する)爪とぎの手入れをさせる。1歳 17歳 体重約3.5〜4.5kg成猫と同じ大きさになる。門歯が減り始める。成猫用フードを与える。オスは交尾をすることができ、メスは妊娠し子猫を生めるようになる。1歳半 20歳 何とか一人前となる。食事を成猫用に切り替える。2歳 23歳 オス猫の発情期がさかんになる。ケンカによる怪我や感染症に注意!3歳 28歳 オス猫のサカリ全盛期。ケンカによる怪我や感染症に注意!4歳 32歳 毛のツヤも最高!まだ若い。貫禄が出てくる。活発に行動する。5歳 36歳 運動能力が低下してくる。犬歯が衰え始め、歯が丸くなり始める。口の周りに白いヒゲが生えてくる。落ち着いた大人の猫になってくる。6歳 40歳 肥満が増える。白髪が混じる毛色が薄くなる。腎不全に注意!7歳 44歳 高齢になってきたので肥満に注意する。寝てることが多くなる。

そろそろ老猫(シニア)用フードを与える。8歳 48歳 体の衰えが目立ち始める(寝てばかりいる、体が硬い、歯が抜けるなど)9歳 52歳 シニア食に切り替える。触ってあげる。10歳 56歳 老猫の入り口。だんだんと眠る時間が増えて1日中寝るようになる。歯が抜けはじめる。毛つやがなくなり白髪が出たり抜けるようになる。すばやく動けなくなる。食事と便秘に注意。病気になりやすくなる。11歳 60歳 昔の寿命を過ぎた。後は振りで生きるのか?まだ元気な猫も多い。12歳 64歳 平均寿命。運動不足や寝たきりにならないよう適度な運動をさせる。食事も1度で食べれなくなるので数回に分けるなどする。13歳 68歳 白内障などが出てくる頃。14歳 72歳 日本にはまだまだ多くいる。15歳 76歳 動くのがだるそうになる。16歳 80歳 ほとんど寝てる。足腰が弱く神経も弱くなってくる。食べるのに痩せてくる。ボケの症状が出る(エサを催促を何度もする、やたらとうるさく鳴く、夜中に徘徊する、トイレを失敗する)。17歳 84歳 長寿に突入!18歳 88歳 すごい!でも日本には結構いるのよ。

19歳 92歳 そろそろ飼い主も覚悟できたかな。20歳 96歳 昔の寿命の倍生きた。急にこの年まで生きてる猫の数が減る。21歳 100歳 ほとんど見かけない。

 

 

22歳

 

 

104歳長寿猫で表彰されるよ。

 

 

23歳108歳 長寿猫で表彰されるよ。数匹しかいないだろう。メスかな

 

 

24歳112歳 長寿猫で表彰されるよ。数匹しかいないだろう。メスでしょう

 

 

25歳

 

 

116歳長寿猫で表彰されるよ。数匹しかいないだろう。

猫のボディランゲージ

猫は、微妙な表情で語りかけている

 

猫は、人間と同じ言葉をしゃべることはできません。愛想なしのように言われることもありますが、表情や声をさまざまに使い分けて人間に語りかけています。ただ、その表情が微妙なために、人には理解しにくいもの。耳や目、しっぽ、瞳孔の大きさ、鳴き声などを注意深く観察して、猫からのメッセージを正確に読みとれるようになりましょう。

 

【満足】

 

満足しているとき、喜んでいるときは目を細めます。完全に目を閉じて、耳を前方に向け、ゴロゴロとのどをならしているのはリラックスしているサイン。挨拶や好奇心いっぱいに探検するときも、耳は前方に向いています。

 

【威嚇・恐怖】

 

体を低くして、「フーッ」「シャーッ」と言いながら口を大きく開けて、武器である牙を見せてアピール。耳は後ろにぴったり倒し、瞳孔は丸く広がっています。

 

【攻撃】

 

背中を丸めて毛を逆立て、しっぽをふくらませて、相手から少しでも大きく見えるように横向きの姿勢をとります。瞳孔はまん丸く広がり、「シャー」「フーッ」と声を出します。攻撃意欲にあふれた猫は、しっぽを下げて姿勢を低くし、瞳孔を細めて、正面から相手に向かっていきます。

 

【防御】

 

耳を後ろにぴったり伏せ、しっぽを巻いて、体を低くします。できるだけ体を小さく見せて、相手の攻撃心をなくさせようとします。

 

 

 

【要求】

 

しっぽをまっすぐ立て、「ミャーオ」と立て続けに鳴きます。

 

猫のからだのしくみ−1

猫の五感

 

猫も人間と同じように、「視覚」「嗅覚」「聴覚」「味覚」「触覚」といった五感を働かせて生活しています。しかし、それぞれの感覚器の能力は、人間とは大きく異なります。人にとっては視覚がとても重要で、五感を利用する割合をみると、視覚が8割以上を占めていて、見ることによってさまざまな情報を収集し、判断しています。一方、猫は聴覚がとても敏感。小さな耳をパラボラアンテナのように動かして、さまざまな音をキャッチします。また、立派なヒゲも大切な感覚器のひとつです。

 

【嗅覚】鼻だけでなく口でもニオイを感じとる

 

猫の嗅覚は犬よりは劣るものの、ニオイを感じとる細胞の数は人の2倍、嗅ぎ分ける能力は数万〜数十万倍あると言われ、いろいろなものを嗅覚を使って判断しています。猫が飼い主や身の回りのものにスリスリと体をこすりつけるのも、自分のニオイをつけるため。このニオイは人間にはまったく感じることができませんが、猫はこのニオイを嗅ぐことで、安心感を得ることができます。また、猫は鼻だけでなく口でもニオイを感知することができます。猫は口の中の上あごに、「ヤコブソン器官」という鼻とは別のニオイを嗅ぐ器官をもっていて、ここでは、おもにフェロモンやマタタビなどのニオイを感じ取ります。猫が鼻にシワを寄せ、口を半開きにして笑っているような顔をしていたら、ヤコブソン器官でニオイを嗅いでいるとき。このときの顔は「フレーメン反応」と呼ばれています。

 

【聴覚】人には聞こえない高音がよく聞こえる

 

猫の五感で一番優れているのは聴覚です。人が聞き取れる音の周波数が20〜2万ヘルツ、なのに対し、猫では30〜6万ヘルツまでの高音を聞き取ることができます。また、猫は音源の方向や音源までの距離を知る能力にも優れています。小さな三角形の耳は、左右別々に動かすことができます。この能力によって、高音を出すネズミなどの獲物がどこで動いているのか、獲物までどれくらいの距離があるのかを、暗闇の中でも正確に判断し、獲物を捕らえることができるのです。飼い主が帰ってくると玄関でちゃんとお出迎えしてくれるのは、遠くから飼い主の足音などを聞き取っているためです。

 

【視覚】暗いところもよく見える

 

猫の視力は人間ほどよくありません。また、色は「青」と「緑」は識別できるけれど赤い色は見えません。猫が活発に行動する夜の暗闇や月明かりの下では、そもそも色があまりわからないので、色を感じる機能はあまり必要なかったと言えます。その分、猫の目は暗闇でも見える能力が備わっています。網膜にある光を感じる「杆体(かんたい)細胞」の数は人間よりたくさんあります。さらに、猫の網膜の後ろには「タペタム」という反射鏡があり、網膜を通り過ぎた光をもう一度網膜に送り返して、人間の6分の1程度の光量でも物を判断できるといいます。暗闇で猫の目が光るのも、タペタムで光が反射されるからです。暗いところでは光を少しでも多く取り入れようと瞳孔を開き、明るいところでは光が入りすぎないように縦に細めて調節します。この様子が、「猫の目のように気まぐれ」と言われるゆえんです。

 

【味覚】酸っぱい味には敏感

 

猫は食べ物のおいしさを、味覚よりはニオイで判断しています。しかし、猫の舌にも人間と同様に味を見分ける味蕾があり、苦味や酸味、塩辛さなどを感じることができると言われています。特に酸っぱさを敏感に感知しますが、これは、動物の肉が腐っているかどうかを判断するために発達したと考えられます。一方、猫は砂糖などの甘さには反応しないといわれております。また、舌の表面がザラザラしているのは、骨についている肉をこそげ落とすフォークの役割、水をすくって飲むスプーンの役割、毛づくろいのときのブラシの役割があります。ちなみに、熱い物が苦手なことを「猫舌」と言いますが、そもそも自力で生活していれば、動物は加熱調理した熱いものを食べる機会はありません。だから、猫に限らず、動物は全般的に、自分の体温より高温の物を食べるのは苦手です。

 

【触覚】ヒゲでさわって障害物を感知する

 

猫といえばヒゲが特徴的ですが、これは飾りで生えているわけではありません。人間のヒゲと大きく違うのは、「触毛」と呼ばれる敏感な感覚器であるという点です。猫のヒゲは目の上、頬、口の横、顎の下などにありますが、猫はこれを障害物などを感知するために利用しています。猫のヒゲの根元には、たくさんの神経が集中しているので、ヒゲの先端に何かが触れば敏感に感じ取ることができます。猫が狭いところや暗いところをすいすい歩けるのは、ヒゲがアンテナの役割を果たしているからです。猫のすべてのヒゲの先端を結ぶと、顔より一回り大きな円になりますが、それが猫の通り抜けに必要な大きさだと言われています。ヒゲを短く切ってしまったら感覚が狂ってしまうので、猫のヒゲは絶対に切らないでください。

猫のからだのしくみ−2

猫の「歯」も、乳歯から永久歯に生え替わる

 

猫の歯も、人と同じように乳歯と永久歯があります。乳歯は26本で、生後2週頃から生え始め、4週頃には生え揃います。その後、4カ月齢頃から永久歯への生え替わりが始まり、7カ月齢の頃には上あごに16本、下あごに14本、合計30本の永久歯が揃います。猫は、鋭い犬歯(牙)で獲物の急所を咬んで、息の根を止め、奥歯(臼歯)で肉を食いちぎって、かまずに丸飲みします。人間のようにゆっくりと咀嚼しないので、臼歯の先は尖っており、かみ合わせると上下が少しずれていて、ハサミで切るように咬みちぎることができます。

 

「肉球」で汗をかく

 

猫の足の裏にある肉球は、ぷにゅぷにゅしていてハリがあります。これは、足音を立てずにそっと獲物に近づくための衝撃を吸収するクッションになったり、木や塀の上など足場が悪いところを歩くときに滑り止めになったりします。また、肉球は全身を被毛で覆われている猫が、体の中で唯一、汗をかく汗腺がある部分。猫は緊張すると足の裏に汗をかきますが、それによって足と地面との密着度がさらに増すので、音もなく忍び寄ることができるのです。

 

「爪」の数は、前足と後ろ足とで違う

 

爪は、猫にとって、獲物を捕らえる大切な武器。毎日といで鋭く尖らせ、すり減らさないようにしまっておきます。前足と後ろ足の爪は、本数も形も違います。前足の爪は5本あり、獲物をがっちりと押さえつけられるように、鋭く尖り大きくカーブしています。一方、後ろ足の爪は4本で、ジャンプや着地をするときにふんばって体重を支えたり、走ったりするときに役立つように、前足よりもがっちりと太く、カーブもゆるやかです。

 

抜群の「瞬発力」と「バランス感覚」

 

肉食動物である猫は、長距離を走る持久力よりも、一瞬にして獲物を捕らえるための瞬発力に優れています。とくにジャンプが得意で、後ろ足の筋肉が発達していて、体高の約5倍は飛び上がることができます。また、獲物にそっと忍び寄るための柔軟性もあり、骨や筋肉がやわらかく、全身はバネのようにしなやかです。しかも、体の動きに合わせて、内臓の位置を変えることができるので、体をねじったり反り返ったりしても、内臓を傷めることがありません。さらに、耳の中にある三半規管が発達しているので、平衡感覚も抜群です。そのため、高いところから飛び降りても、くるりと体勢を立て直して、足から着地することができます。また、幅の細い塀の上もシッポでバランスを取りながら、スイスイ歩けます。

初めて猫と暮らす

猫と暮らす心構え

 

 

猫のいる暮らしのイメージトレーニング

 

猫と暮らしたいと思ったらいろいろな準備が必要ですが、一番大切なのは飼い主としての「心の準備」です。まずは、猫のいる暮らしがどういうものなのかをイメージしてみてください。猫は健康ならば10年以上、もしかすると20年近く生きることもあります。その間に引っ越しをしたり、暮らし方が変わったりすることもあるかもしれません。10年経てば、自分も確実に年を取ります。一緒に遊んであげる時間も必要です。時には病気になって、動物病院で治療を受けることもあり、それなりの手間やお金もかかります。そして、家族の一員としてたっぷり愛情を注ぎ、悲しい最期の別れのその時まで、しっかりと世話をしなければなりません。愛猫の幸せは飼い主次第で決まります。そして、愛猫が幸せであってこそ、飼い主も幸せに暮らせるのです。自分が本当に責任をもって、猫と暮らしていけるかどうか、どんな飼い主になれるのかを、まずはじっくり考えてみてください。

 

猫と暮らす前のチェックポイント

 

猫も飼い主もお互いに、幸せにそして快適に暮らしていけるように、猫を迎え入れる前に、猫がいる暮らしについてのプランを立てましょう。

 

【ライフスタイル】

 

集合住宅か一戸建てかどうかなどの住まい環境、小さな子どもの有無などの家族構成、一人暮らしや共働きで留守がちかどうかなど、自分のライフスタイルに合った猫を選択することが大切です。

 

【誰が世話をするか】

 

猫と暮らすには、食事、トイレの掃除、お手入れ、一緒に遊ぶなど、さまざまな世話が必要です。家族の中に責任を持って世話をできる人がいるか再確認しましょう。猫を飼いたいと子どもが求めたとしても、最終的な責任は親にあるということもお忘れなく!

 

【家族は賛成しているか?】

 

猫を家族の一員として迎えるのですから、家族全員の同意と協力が必要です。反対している人がいれば、猫も幸せにはなれません。

 

【近隣への配慮】

 

集合住宅や密集した住宅地では、トラブルを避けるためにも近隣への配慮は欠かせません。近隣のペットトラブルの主な原因は、鳴き声、ニオイ、抜け毛です。いずれも、飼い主の心がけ次第で防げることであり、猫の場合は、完全室内飼育で外出をさせなければ、ほとんどトラブルになることはありません。普段からご近所づきあいを円満にしておくことも、トラブル回避につながります。

 

【猫にかかる費用】

 

ケージや食器、トイレ、首輪など、猫を迎える際の一時的な出費に加え、毎日の食事代やトイレ砂などの消耗品、ワクチン接種や病気にかかったときの医療費も必要になります。1年間にかかる必要経費を調べておきましょう。

 

【ペット関連施設の所在地】

 

近くに動物病院やペットホテル、ペットショップがあるかどうかを事前に調べておくと、いざというときに安心です。近所のペットの飼い主の評判などを参考にして、信頼できるところを見つけておくことをおすすめします。

 

 

 

 

 

猫種選び

 

 

純血種かミックスか? 人気や流行にまどわされず、慎重に

 

猫との出会いはさまざまです。偶然の出会いで、迷える猫と巡り合う人もたくさんいますし、猫種を決めて自分に合った猫を探す人もいます。大きく分けると、純血種かミックスかという選択があります。純血種は外見や性格が親に似ているので、子猫であればどんな猫に成長するのかだいたいの予測がつくので、自分のライフスタイルや性格に合った猫を選べます。しかし、中には交配の結果、その猫種がかかりやすい病気をもっていることもあります。一方、ミックスでは外見も性格もどんな猫になるのか、成長するまで想像がつきませんが、それが楽しみでもあります。どちらを選択するかは、飼い主の考え方次第です。

 

活発な短毛種か、おっとり派の長毛種か

 

一般的に、短毛種は活動的な性格の猫が多く、長毛種はおっとりした性格の猫が多いと言われています。飛んだり跳ねたりする活発な猫と一緒に遊びたい人には短毛種、外見もぬいぐるみのような愛くるしい猫と静かに暮らしたい人には長毛種が向いています。また、短毛種はブラッシングなどのお手入れも簡単で、クシでさっと毛をとかすだけです。一方、長毛種は毛が細く絡まりやすいので、毛玉を防ぐためには毎日のブラッシングと、定期的なシャンプーが必要です。

 

代表的な猫種と性格<短毛>

 

【アビシニアン】

 

原産国/エチオピア。古代エジプト猫の末裔とも言われ、壁画や彫刻にも登場する高貴な猫。スリムな体で遊ぶのが大好き。頭がよく、人なつこくて甘えん坊な一面も。自己主張が強く、おしゃべりでよく鳴くのが玉にキズ。

 

【アメリカン・ショートヘア】

 

原産国/アメリカ。丸くて大きな頭、丸い目、たくましい体格と抜群な運動神経をもっています。性格はいたって陽気で、子猫の頃はとてもやんちゃ。好奇心旺盛で人見知りをしないので、小さな子どものいる家庭にもおすすめ。

 

【オシキャット】

 

原産国/アメリカ。アビシニアンとシャム、アメリカン・ショートヘアの交配から生まれた猫。ヒョウ柄のような模様が特徴。性格はやさしく穏やかで人なつこいけれど、やや警戒心が強いところも。声が小さいので集合住宅での飼育に向いています。

 

【シャム】

 

原産国/タイ。シャム(タイ)の王室が身分のある客人に贈り物として与えていたという気品のある猫。顔とシッポのポイントカラーが特徴。声が大きく、とくに繁殖シーズンには独特の大きな声で鳴いて、近所迷惑になることも。感受性が豊かでやや神経質、人好きで甘えん坊なので、猫とべったり過ごしたい人にはおすすめ。

 

【スコティッシュ・ホールド】

 

原産国/イギリス。ずんぐりとした体に、まんまる顔に折れ曲がった垂れ耳が特徴。外向的で人なつこく、遊び好き。性格がおだやかで、飼いやすい猫です。

 

【日本猫】

 

原産国/日本。性格は温和で頭がよく飼いやすい。順応性があり、面倒見がよいので、多頭飼育にも向いています。日本からアメリカに渡り、品種が固定された「ジャパニーズ・ボブテイル」は、性格は日本猫同様でシッポが短いのが特徴。

 

【ロシアン・ブルー】

 

原産国/ロシア。美しいブルーグレーの毛色で、びっしり生えた被毛はビロードのような柔らかい手触り。性格は内気で人見知りだけど、なついた人には忠誠をつくす愛情深い猫。めったに鳴かないので集合住宅でも安心。

 

代表的な猫種と性格<長毛>

 

【ソマリ】

 

原産国/イギリス。アビシニアンから生まれた長毛の子猫から改良。アビシニアンの血を引くので、長毛のわりには活発で外向的。性格は温和。

 

【ペルシャ】

 

原産国/アフガニスタン。イギリスに渡って改良されました。日本人にはもっともなじみのある長毛種。性格は静かでおっとりタイプ。鳴き声も小さくあまり鳴きません。細くて絡みやすい長毛で、毎日のブラッシングは欠かせません。また、服に付いた毛も取れにくく、部屋をこまめに掃除する必要あり。人気のチンチラはペルシャの一種。

 

【ヒマラヤン】

 

原産国/イギリス。ペルシャとシャムを交配してつくられた猫。ペルシャのロングヘアとシャムのポイントカラーをもっています。顔立ちと性格はペルシャ譲りで、人なつこく温和で静かな性格です。

 

【メインクーン】

 

原産国/アメリカ。アメリカ・メイン州生まれの大柄な猫。オスでは7kgが標準という立派な体格。大きな体に似合わずやさしい鳴き声の持ち主。性格は人なつこくて、好奇心旺盛。子どもにも忠実で忍耐強い。

 

※猫種の性質には個体差があるので、これはあくまでも目安です。

 

 

 

 

 

よい子猫の見分け方

 

 

オスとメス、どちらが飼いやすい?

 

性別による性質の違いは若干あるものの、避妊・去勢手術をすることで、性別本来の特徴はかなりやわらぎます。去勢手術をしていないオスでは、性的に成熟を迎えると、なわばりを主張するために、尿でニオイをつける「スプレー行動(尿マーキング)」を行います。この尿のニオイは強烈で、室内でも壁やタンスなどに尿をひっかけて飼い主を悩ませますが、生後5カ月くらいまでに去勢手術をすれば、この行為はほとんど起こりません。一方、メスでは発情期になると、オスを引き寄せるために、人の赤ちゃんのような大声でうるさく鳴きますが、この行動も避妊手術をすれば治まります。

 

健康で元気な子猫をどこで手に入れる?

 

猫種や純血種にこだわりがなければ、動物管理センターや民間の動物保護団体、動物病院などから、飼い主のいない猫の里親になる方法をおすすめします。飼い主を求め、猫がさし迫った状況におかれていることもよくあるからです。ペットショップで購入する場合は、何軒かをのぞいて比較検討して決めましょう。信頼できるショップ選びのポイントは、子猫の健康状態がよいこと、店内が清潔で悪臭がしないこと、スタッフの知識が豊富で親身に相談に乗ってくれることです。購入直後に病気にかかったり、死んでしまったりしたときの保証についても確認しておきましょう。飼いたい猫種が決まっているなら、同じ猫種の子猫がたくさんいるブリーダーから直接購入するとよいでしょう。愛猫雑誌やタウン誌などにブリーダーの広告はよくでていますが、猫の飼育環境を直接見せてもらい、信頼できるブリーダーを探してください。とくに、急に人気が出た猫種では、ブームになって“大量生産”するために近親交配をくり返し、遺伝的な病気をもった猫が増えることがあります。愛情をもって計画的に繁殖しているブリーダーから購入しましょう。

 

成猫からでも一緒に暮らせる

 

一般的に、飼い主にも慣れやすいのは生後2〜3カ月の子猫です。しかし、子猫はしつけや世話にやや手がかかるので、高齢者の方や幼い子どもがいる家庭では、すでにしつけされた健康で性格のよい成猫を譲り受けるのも一案です。猫の性格にもよりますが、それまで人と一緒に暮らしてきた猫ならば、成猫になってからの同居でも愛情をしっかり注ぐことで、新しい飼い主にもなつき、一緒に幸せに暮らしていくことは十分に可能です。

 

 

 

 

 

猫に必要な生活グッズ

 

 

準備万端! 必要な物をしっかり揃えよう

 

猫の来る日が決まったら、必要な生活グッズを揃えましょう。最低限揃えておきたいのは、次のグッズです。ハウスやベッド、トイレは、成長後の体の大きさに合わせて選ぶこと、掃除が手軽にできるものを選ぶことが賢い選択方法です。

 

【トイレ用品】

 

トイレ容器とトイレ砂を用意します。トイレ容器には屋根付きのものもあります。猫砂もいろいろなタイプのものがありますが、掃除が手軽で、排泄物のニオイをしっかり吸収するものを選びましょう。

 

【ハウスや寝場所】

 

ケージやキャリーバッグなど、猫専用の居場所を用意。しつけや留守番、来客のときなどに便利です。ベッドは段ボールやカゴに毛布を敷いて作ってもOK。普段からキャリーバッグに入ってくつろぐ習慣をつけておくと、動物病院に連れて行ったり、旅行に行ったりするときに、抵抗なく中に入ってくれます。

 

【フードと食器】

 

フードは成長段階(ライフステージ)ごとにいろいろなタイプがあります。食器は食事用と水入れ用に2つ必要です。軽すぎるとひっくり返ってしまうので、安定感のあるステンレスや陶器のものがおすすめ。浅すぎてもフードが散らばるし、深すぎても食べづらいので、適度な深さが必要。

 

【爪とぎ器】

 

爪とぎは猫の大切な習性。猫は身近な物の中からとぎ心地のよいものを選びます。布製、段ボール製、縄製など、さまざまなタイプの爪とぎがあるので、いろいろ試してみましょう。

 

【お手入れ用品】

 

ブラシや爪切りなどのお手入れグッズも用意します。長毛の猫にはピンブラシやスリッカー、短毛ならばコーム(クシ)を用意。

 

【オモチャ】

 

子猫はとっても遊び好き。遊びの中からいろいろなことを学び、成長していきます。咬んだり、追いかけたり、子猫の本能的な欲求を満たす安全なオモチャを選びましょう。

 

【首輪】

 

必ずしも必要ではありませんが、お好みで。首輪は幅があまり狭くなくて軽めのものを選びます。万が一に備えて、首輪に迷子札をつけておくと安心です。

 

 

猫のしつけの考え方

猫は自分で判断する動物

 

「犬は人の言うことをちゃんと聞くのに、猫はちっとも言うことを聞かないし芸もしない」とよく言われます。しかし、これは大きな誤解。猫に学習能力がないわけでも、知能が低いわけでもありません。群れを作って生活をする犬には、もともとリーダーの指示に従う習性があります。一方、野生時代に単独生活を送ってきた猫は、自分の身を守るために何事も自分で判断する習性をもつ動物です。だから、犬のように他者の命令に従う必要もなかったのです。猫にだって教えれば、オテやオスワリを覚える能力はありますが、必要がないことなので覚えようとしないだけなのです。

 

猫に必要なのは命令ではなく提案

 

けれども、一つ屋根の下で人と一緒に生活していくためには、猫にもある程度のしつけが必要になってきます。ただし、猫のしつけとは、犬のように飼い主がリーダーになって行動をコントロールすることではありません。猫も飼い主も快適に暮らすためのルールをつくり、お互いにそれを守ることが大切です。そそうをしないように使いやすいトイレを用意する、あちこちで爪をとがないように爪とぎの場所を提供するなど、言うなれば、飼い主から猫への提案です。「猫を追うより皿を引け」というように、猫の習性をよく理解したうえで、飼い主が知恵を搾れば、暮らしの中のトラブルもそれほど起こりません。しつけは子猫の時期に行うことが効果的ですが、成猫になってからでも不可能ではありません。少し根気が必要になりますが、焦らずにじっくりと取り組みましょう。

 

 

 

 

猫のほめ方・叱り方

 

 

叱られても、その理由が猫にはわからない

 

猫は叱られてもちっとも反省しないし、知らんぷりをするという声がよく聞かれます。しかし、なぜ猫を叱るのか、その理由を考えてみると、多くの場合は、飼い主がしてほしくないことを猫がしたときだと言えるでしょう。家具で爪をといでも、カーテンによじ登っても、棚に上ってたまたま物を落として壊したとしても、猫は自分の本能のままに行っただけであり、飼い主に迷惑をかけたとか悪いことをしたとは思っていません。猫は自分で判断してすべてよかれと思って行動しているので、その行動についてほめられたり叱られたりしても意味をあまり理解しないのです。だから、ごほうびやほめ言葉もあまり効果はありません。

 

大きな声で叱られるのは苦手

 

猫を大声でガミガミ叱ったり叩いたりするのは、ほとんど意味のない行為です。怒鳴られれば、猫は攻撃されていると思うだけで、叱った人を自分にとって危険人物と判断し、避けるようになってしまいます。飼い主が叱っているときに、猫がそっぽを向いたり、逃げてしまったりすることがありますが、これは決して無視しているのではなくて、不安や恐怖から必死で逃れようとしているのです。

 

「天罰」で困った行動をやめさせる

 

しかし、飼い主にとってしてほしくないことを、猫がするときだってあります。そんなときは、叱るのではなく「天罰」を与える方法が効果的です。これは、猫が「してほしくないこと」をしようとした瞬間やしている最中に、一時的に驚かせてその行動を中断させることです。天罰を何度か続けていくと、「その行動をしようとすると嫌なことが起こる」と学習し、次第にやらなくなります。このとき、だれが天罰を与えているのかを絶対に猫に悟られないようにすることが重要です。飼い主がやっていることがわかってしまうと、その人を避けたり、隠れてするようになるからです。猫への天罰には次のような方法があります。

 

<霧吹き>

 

猫は体が濡れることを嫌います。カーペットやカーテンで爪をとごうとしたときは、後ろから霧吹きや水鉄砲などで水をかけると効果的。

 

<アルミ箔>

 

猫はアルミ箔の上を歩く感覚を嫌います。トイレ以外の場所で粗相をするときには、そこにアルミ箔を敷くと近寄らなくなります。

 

<空き缶やお手玉>

 

行動を起こそうとしているときに、猫の近くにお手玉や小石の入った空き缶を投げて驚かせます。

 

<鳴り物>

 

猫がしてはいけないことをしようとした瞬間に、「あ!」っと大きな声を出したり、「パン」と手を叩いたりして驚かせます。

 

 

 

 

 

爪とぎのしつけ

 

 

爪とぎの目的をきちんと理解しよう

 

多くの飼い主を悩ますのが、猫の爪とぎです。家具や柱、壁などで、猫はおかまいなしに爪をとぎます。しかし、爪とぎは猫の習性であり、猫にとっては大切な行動で、いくつかの目的があります。一番の目的は、爪のお手入れです。猫にとって爪は、獲物をつかまえたり、自分の身を守ったりするための大切な武器です。ひんぱんにといで古い爪をはがし、いつも鋭くとがらせておく必要があるのです。また、猫は爪とぎが大好きですが、この行為そのものにストレスを発散させて気持ちを落ち着かせる効果があり、前足をぐーんと伸ばすことは、筋肉のストレッチにもなります。ほかに、爪とぎには自分のなわばりを主張する、マーキングとしての目的もあります。自分のなわばりの証として、爪あとを残すだけでなく、肉球や爪の周辺からはフェロモンが出ていて、爪とぎをすることで自分のニオイをこすりつけているのです。このように、爪とぎには猫にとってさまざまな目的があります。爪とぎは猫にとって必要不可欠な行為ですし、猫自身は悪いことをしているとは思っていないので、無理やりやめさせることは困難です。

 

愛猫好みの爪とぎを見つける

 

とはいえ、家中、爪あとだらけにされてはやっぱり困りものですから、決めた場所で爪とぎをするように、習慣づけましょう。猫は、身近な物のなかから、とぎ心地のよかったものを選んで、自分の爪とぎ場所とします。また、猫は自分のなわばりを主張するために、環境の中で一番目立つ場所をわざわざ選んで爪をとぎます。猫が気に入る爪とぎ場所は、表面がガサガサしていて、爪が引っかかりやすくて、ある程度の高さや安定感がある場所です。市販されている爪とぎ器の素材には、カーペットタイプ、段ボールタイプ、木製タイプ、縄タイプなどがあり、形も横に寝かせて使うものや、立てて使うものなどがあります。愛猫の好みの素材と爪とぎの体勢をしっかり見極めて、愛猫が満足するものを選んであげてください。

 

爪とぎの場所をしっかり教える

 

爪とぎ器は猫がわかりやすいところに置きます。他の場所でしそうになったら、すぐに爪とぎ器のところに連れて行きます。間に合わず、他の場所でといでしまったら、大きな声を出して、とりあえず爪とぎを中断させます。爪とぎ器の使い方を教えるときは、猫の前足を爪とぎにこすりつけます。すると、自分のニオイがつくので、なんとなく理解します。爪とぎ器がボロボロになっても、新しいものに変えないでください。猫はこのボロボロ感をとても気に入っていることもあります。

 

爪とぎをされたくない場所は工夫で守る

 

爪とぎをされたくない家具やカーペット、壁や柱などは、飼い主が知恵を絞って防御したほうが賢明といえます。爪がとぎにくいつるつるとしたビニールや、猫が嫌うアルミ箔などで覆っておけば、その場所での爪とぎを避けるようになります。また、猫の爪が伸びすぎないように、こまめに爪切りをする習慣をつけるとよいでしょう。

 

 

 

 

 

爪とぎのしつけ

 

 

爪とぎの目的をきちんと理解しよう

 

多くの飼い主を悩ますのが、猫の爪とぎです。家具や柱、壁などで、猫はおかまいなしに爪をとぎます。しかし、爪とぎは猫の習性であり、猫にとっては大切な行動で、いくつかの目的があります。一番の目的は、爪のお手入れです。猫にとって爪は、獲物をつかまえたり、自分の身を守ったりするための大切な武器です。ひんぱんにといで古い爪をはがし、いつも鋭くとがらせておく必要があるのです。また、猫は爪とぎが大好きですが、この行為そのものにストレスを発散させて気持ちを落ち着かせる効果があり、前足をぐーんと伸ばすことは、筋肉のストレッチにもなります。ほかに、爪とぎには自分のなわばりを主張する、マーキングとしての目的もあります。自分のなわばりの証として、爪あとを残すだけでなく、肉球や爪の周辺からはフェロモンが出ていて、爪とぎをすることで自分のニオイをこすりつけているのです。このように、爪とぎには猫にとってさまざまな目的があります。爪とぎは猫にとって必要不可欠な行為ですし、猫自身は悪いことをしているとは思っていないので、無理やりやめさせることは困難です。

 

愛猫好みの爪とぎを見つける

 

とはいえ、家中、爪あとだらけにされてはやっぱり困りものですから、決めた場所で爪とぎをするように、習慣づけましょう。猫は、身近な物のなかから、とぎ心地のよかったものを選んで、自分の爪とぎ場所とします。また、猫は自分のなわばりを主張するために、環境の中で一番目立つ場所をわざわざ選んで爪をとぎます。猫が気に入る爪とぎ場所は、表面がガサガサしていて、爪が引っかかりやすくて、ある程度の高さや安定感がある場所です。市販されている爪とぎ器の素材には、カーペットタイプ、段ボールタイプ、木製タイプ、縄タイプなどがあり、形も横に寝かせて使うものや、立てて使うものなどがあります。愛猫の好みの素材と爪とぎの体勢をしっかり見極めて、愛猫が満足するものを選んであげてください。

 

爪とぎの場所をしっかり教える

 

爪とぎ器は猫がわかりやすいところに置きます。他の場所でしそうになったら、すぐに爪とぎ器のところに連れて行きます。間に合わず、他の場所でといでしまったら、大きな声を出して、とりあえず爪とぎを中断させます。爪とぎ器の使い方を教えるときは、猫の前足を爪とぎにこすりつけます。すると、自分のニオイがつくので、なんとなく理解します。爪とぎ器がボロボロになっても、新しいものに変えないでください。猫はこのボロボロ感をとても気に入っていることもあります。

 

爪とぎをされたくない場所は工夫で守る

 

爪とぎをされたくない家具やカーペット、壁や柱などは、飼い主が知恵を絞って防御したほうが賢明といえます。爪がとぎにくいつるつるとしたビニールや、猫が嫌うアルミ箔などで覆っておけば、その場所での爪とぎを避けるようになります。また、猫の爪が伸びすぎないように、こまめに爪切りをする習慣をつけるとよいでしょう。

猫の食事

猫に必要な栄養素

 

 

猫は、完全肉食動物

 

猫は犬と違って、徹底した肉食動物です。野生時代、ハンターである猫は、ネズミや小鳥などの小動物を捕まえて新鮮な獲物を食べ、肉はもちろん、内臓や軟骨も含めて丸ごと食べることで、栄養が満たされていました。肉にはタンパク質、内臓にビタミンやミネラル、骨にはカルシウムなどが豊富に含まれています。つまり、肉食だからといって、切り身の肉や魚だけを与えても、栄養は十分ではないのです。

 

猫にとって必要な栄養素

 

動物が健康に体を維持していくために必要な栄養素は、「タンパク質」「脂肪」「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」の5つです。肉食動物である猫は、特に高タンパク、高脂肪を必要とします。猫の健康のためには、猫に合った栄養素をバランスよく体内に取り入れることができる食生活をおくることが何よりも大切です。総合栄養食のキャットフードには、猫に必要な栄養素が含まれています。家庭での手作りフードを与える場合は、栄養バランスに配慮しましょう。

 

【タンパク質】

 

筋肉や血液、内臓、皮膚、被毛などを構成している基本の栄養素です。猫では人の約5〜6倍のタンパク質を必要とします。しかし、たくさん摂ればよいというわけではありません。タンパク質はいくつかのアミノ酸が組み合わさってできていますが、体に必要なアミノ酸の種類は人、犬、猫など動物によって異なります。つまり、猫に必要なアミノ酸がバランスよく組み合わさってできているタンパク質をとることが重要なのです。とくに、アミノ酸の一種であるタウリンは、犬と違って猫は体内で合成できないので、欠かすことができません。タウリンが不足すると、網膜変性によって失明したり、拡張型心筋症を起こしたりすることもあります。

 

【脂肪】

 

脂肪はカロリーが高いので、エネルギー源になったり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたりするほか、食べ物にコクとうまみを与える効果もあります。猫は人よりたくさんの脂肪を必要とし、エネルギーとして効率よく利用しています。脂肪は脂肪酸が組み合わさってできていますが、犬や人では体内で作れるリノール酸やアラキドン酸を猫は作ることができないので、食事から摂る必要があります。また、マグロやカツオ、アジ、サバ、イワシなどの青魚には、不飽和脂肪酸が多く含まれています。こればかりを与えていると皮下脂肪が変性して、黄色脂肪症という病気になることがありますので注意しましょう。黄色脂肪症はビタミンEを併せて摂ることで予防できます。

 

【炭水化物】

 

米や小麦などの穀類に多く含まれる炭水化物は、繊維質と糖質から構成されていて、人では主要なエネルギー源となっています。肉食の猫では、タンパク質と脂肪を主要エネルギー源としているので、炭水化物はさほど重要な栄養素ではありません。しかし、動物性食品だけでは、栄養バランスが偏ってしまうので、適量の炭水化物を食事に混ぜるとよいでしょう。ドライフードには、米や麦、トウモロコシや豆などの穀類が配合されています。

 

【ビタミン】

 

ビタミンはさまざまな体の機能をスムーズにする潤滑油的な働きをします。大きく分けて、脂肪にとける「脂溶性ビタミン」(A、D、E、K)と、水分にとける「水溶性ビタミン」(B群、C)があります。健康な猫は体内で、ビタミンKとCを合成することができます。しかし、ビタミンA、B1、B2、B6、Dなどは体内で合成できないので、食事の中から摂り入れる必要があります。また、猫では黄色脂肪症予防のためにも、ビタミンEは欠くことができません。

 

【ミネラル】

 

ミネラルには、カルシウムやリン、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などがあります。必要量はどれも微量ですが、体液のバランスを保ち、神経や筋肉を活発にするために不可欠な栄養素です。しかし、猫では尿中にミネラルが増えすぎると結石ができやすくなり、猫下部尿路疾患などの病気にかかる可能性が高くなるので、他の栄養素とバランスよく摂取する必要があります。市販のキャットフードには、結石ができにくくなるように、ミネラルバランスが配慮されているものも増えてきました。

 

【水】

 

水は猫の体の半分以上を占め、生きていくために欠くことのできないものです。もともと砂漠地帯で暮らしていた猫は、あまり水を飲まなくても生きていける体のしくみになっています。しかし、水分摂取量が少ないと尿が濃縮されて、結石などができやすくなります。猫缶などのウェットフードを食べている猫では、食事から水分を補うことができますが、ドライフードの場合は、いつでも新鮮な水が飲めるように用意しておいてください。水を飲む量が異常に増えてきたときには、糖尿病などの病気が疑われるので、獣医師に相談してください。

 

 

 

 

 

猫に与えてはいけない食べ物

 

 

人には無害でも、猫には危険な食べ物もある

 

猫に人が食べているものをあげると、とても喜びますが、しつけや猫の健康のために与えないようにしてください。人の食べ物は、猫には塩分や脂肪分が多すぎ、長年食べ続けていると、肥満や腎臓病になるおそれがあります。また、人が食べてもなんでもないけれど、猫にとっては健康を害する危険な食べ物もあります。

 

【タマネギや長ネギ】

 

タマネギや長ネギなどのネギ類やニラには、猫の血液中の赤血球を破壊する成分が含まれており、猫がネギ類を食べると急性の貧血を起こしたり、血尿を出したりします。毒性は加熱しても破壊されません。

 

【イカ】

 

「猫がイカを食べると腰を抜かす」と言いますが、これは迷信ではなく、生のイカを食べるとビタミンB1欠乏症を起こし、腰がふらついて歩行困難になることがあります。また、加工されたスルメイカなども、食べ過ぎると消化不良や嘔吐の原因になります。

 

 

【生の豚肉】

 

生の豚肉には、人獣共通感染症の一つである「トキソプラズマ症」の感染源となる、トキソプラズマ(原虫)のオーシストという卵のようなものが含まれていることがあります。加熱すればオーシストは死滅します。

 

【牛乳やチーズなどの乳製品】

 

猫には牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素が少ないので、下痢を起こすことがあります。また、子猫には猫用のミルクを与えてください。

 

【塩分の多い食品】

 

汗腺が発達しておらず、ほとんど汗をかかない猫は、人の約3分の1程度の塩分しか必要としていません。人と同じ食べ物は、猫にとっては塩分が強すぎ、体に悪影響を与えます。

 

【刺激の強い香辛料】

 

わさびやこしょうなどの香辛料は、胃を刺激して感覚を麻痺させる恐れもあります。

 

【冷蔵庫から出したばかりのもの】

 

冷蔵庫から出したばかりの冷たい食べ物は、お腹を冷やして下痢をしやすくするので、常温に戻してから与えてください。

 

 

 

 

 

 

キャットフードの種類と選び方

 

 

キャットフードの種類と目的

 

食事は、健康で元気に暮らしていくために欠かすことができません。野生時代、猫は自分でハンティングをして、獲物を捕まえて食べていました。しかし、私たちとともに生活している猫は、自分で食事を選ぶことができず、飼い主から与えられたもので栄養をとらなければならないので、食事には十分に気を配る必要があります。キャットフードのメリットは、愛猫に必要な栄養成分がバランスよく含まれているので、いつも安定した食事を与えられることです。さまざまなタイプのキャットフードが市販されている今、愛猫の健康のためにも良質なフードを選ぶことも重要です。アメリカには、AAFCO(アフコ:米国飼料検査官協会)という、ペットフードの栄養に関する厳正なガイドラインを定めている団体があり、この団体のガイドラインが世界的な栄養基準となっています。日本でも、「ペットフード公正取引協議会」がAAFCOの栄養基準を反映した規約を設けています。こうした基準やガイドラインに基づいているということも、フード選びの判断材料になります。そうした情報は、商品パッケージに表示されています。

 

 

【総合栄養食】

 

毎日の主食として与えるフードです。猫が必要とする栄養基準を満たしているので、新鮮な水と一緒に与えるだけで、ライフステージごとの健康を維持することができるように、理想的な栄養素がバランスよく配合されています。「総合栄養食」と表示のあるものは、ペットフード公正取引協議会が定めた給与試験の結果、栄養成分の基準を満たしていると証明されたフードです。

 

【間食】

 

ジャーキーやガムなどのようなおやつやスナックのこと。主食ではないので、こればかり与えていては栄養バランスがくずれますし、与えすぎればカロリーオーバーで肥満の原因になります。

 

【その他の目的食】

 

総合栄養食、間食のどちらにも当てはまらないフードで、特定の栄養の調整やカロリー補給、嗜好増進などが目的です。缶詰タイプやウェットフードなどでよく見られます。総合栄養食ではないので、それだけを主食にするのには適していません。「一般食(おかずタイプ)」「一般食(総合栄養食と一緒に与えてください)」「カロリー補給食」「副食」などと表示されています。

 

キャットフードのタイプと特徴

 

キャットフードは、フードの中の水分含有量によっていくつかのタイプに分けられていて、それぞれに特徴があります。どれが一番優れているというわけではないので、愛猫に合ったタイプのフードを選ぶとよいでしょう。

 

【ドライフード】

 

水分含有量が10%以下で、カリカリになった固形状のフードです。同じ重さの他のフードと比べると、タンパク質や脂肪、炭水化物などの栄養素が多く含まれるので、経済的です。保存性もよく、開封後も腐敗したり、カビがはえたりしにくいという利点もあります。フードそのものの水分は少ないので、十分な水と一緒に与えるようにして、水分不足にならないように注意してください。

 

【半生フード】

 

水分含有量が25〜35%程度のフードです。しっとり感があって、風味や嗜好性が高く、やわらかくて食べやすいので、子猫や高齢犬にも向いています。水分を保持するために、潤滑調整剤が使用されています。製造方法の違う、「ソフトドライタイプ」と「セミモイストタイプ」があります。

 

【ウェットフード】

 

水分が75%以上含まれているフードで、缶詰やアルミトレー、レトルトタイプに多く見られます。牛肉、鶏肉、魚などの素材の味をそのまま生かすことができるので、猫も好んで食べます。開封前は長期保存できますが、開封後は保存がきかないので、別の容器に移し替えてラップで密封して冷蔵庫で保存、早めに与えます。開封後、丸1日過ぎたら、処分したほうがよいでしょう。

 

食物アレルギーとペットフード

 

最近では、食物アレルギーの猫も増えています。食物アレルギーとは、おもに特定のタンパク質に対して体が過敏な反応を起こすことです。愛猫にアレルギーの心配がある場合には、低アレルギーと表示されているフードを選ぶのも一案です。アレルゲン(アレルギーを引き起こすもと)が特定できている場合は、その食品が入っていない食事に切り替えます。アレルギー症状が激しい場合は、獣医師ともよく相談して食事を選ぶようにしてください。

 

 

 

 

 

猫の肥満改善

 

 

肥満の目安は?

 

人間同様、猫にとっても、肥満は万病の元です。肥満になると心臓や内臓の負担も大きくなるし、泌尿器系の病気になる可能性も高くなります。メインクーンなど大きな種をのぞいて、一般的な成猫の平均体重は3〜5kgです。体重が5kgを越えていたり、下腹が垂れていて手で支えることができるような場合は肥満です。一般的に、オスよりもメスのほうが太りやすい傾向にあります。また、避妊・去勢をした猫では、異性を求めるために費やすエネルギーが減る分、食欲が安定するので、少しカロリーを控えなければ太ってしまいます。生殖に関わるホルモンが減少することで、ホルモンバランスが崩れることが影響している場合もあります。

 

子猫の頃から正しい食事を

 

育ち盛りの子猫は、成猫よりもたくさんのカロリーを必要とします。しかし、与えすぎていては、脂肪細胞の数が増えてしまいます。成猫になってもその状態が続くと、一つ一つの細胞のサイズが大きくなってしまい、さらに脂肪が蓄積すると、それほど食べなくても体重が減らなくなってしまいます。肥満防止のためには、子猫の頃からの食事管理と運動が大切です。また、室内飼育の猫たちは運動不足になりがちですし、避妊・去勢をしているとエネルギーの消費量も少ないので、規定量のフードを与えていても、太ってしまうことがあります。体重をはかる習慣をつけておくと、体重の変化に気づくことができます。

 

肥満改善のためには、目標を決める

 

肥満改善の手段として、やみくもに食事の量を減らすのは、健康上おすすめできません。まずはなぜ太ったのか、その原因を探り、計画をたてることが大切です。次に、「いつまでに何キロ落とすか」という目標を明確にします。なんの目標もなく、ダラダラやっていては、愛猫も飼い主もつらいだけです。太っている場合は、現在の体重の15%の減量をまず目標にし、期間を決めて集中して取り組みます。定期的に体重を計ってグラフにすることも、成果がわかって励みになります。ダイエット期間中は、1日に与えるフードをきちんと計量し、1日2〜3回分の小分けにしておくと、与えすぎを防ぐことができます。おやつもこの中から与えるようにします。また、一緒に遊ぶ時間を増やして運動させることなども効果的です。ただし、運動量を急激に増やすのは、太りすぎている場合は心臓や関節に負担がかかったり、足腰を傷めたりすることがあるので、おすすめできません。食事コントロールで少し体重を減らして体を軽くしてから、徐々に運動量を増やしましょう。

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